この映画を人になんて説明すればいいだろう。
「見てはいけないものを観てしまった」かな。
映画は好きで時々観るけど、やはり年齢とともに好きなタイプの映画、映画の好みも変わるのかもしれない。
『ザ・トライブ』は、おそらく10年前に見ていたら大好きになっただろう。
傑作です。それには違いない。
ただ、映画で「傑作」といってもいろいろある。何か突出している、劇薬のような凄みがあったり、あるいはホンワカととらえどころなく、それでもただずっと観ていたいような気にさせられたり、またあるいはしみじみと幸せな気持ちにさせてくれる物語性を備えていたり、詩情あふるる映像が素晴らしく美しかったり、本当にいろいろなんである。
で最近は、劇薬タイプの映画を観ると、その凄みに参ってしまう。
たぶん、観る方も弱っているのだ。
本作では目を覆いたくなるようなシーンがあった。
もちろん、ただの悪趣味ではない。必要な、あるべくして描かれたシーン。
しかし、参ってしまった。「そこまでする?」って思ってしまうのだ。濃厚すぎる、うまみ成分が過剰な料理を食したときのように、少しゲンナリするのだ。
これに似た過剰さ、例えば有名どころだと『愛のむきだし』なんかもそうじゃないだろうか。どうも最近は多いような気がする。
でも一方で『ケンタとジュンとカヨちゃんの国』や、『おそいひと』などはゲンナリしない。大好きだったりする。「過剰さ」でいえば、同じように過剰であるのに、だ。
そして『ファニーゲーム』。あんなにひどい映画はないと思っている。いわば、劇薬中の劇薬。でも、最も好きな映画のひとつだ。
何が言いたいかよく分からなくなってしまったが、要は理屈でなく単に好き嫌いってことなんだろう。なんじゃそりゃ。
で、『ザ・トライブ』は結構好きです。重要な作品だと思います。が、観ていてとてもつらいシーンがありました。 ふう。
以上。
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