2010/02/22

W-ZERO3(WS003SH)とモバイルGoogleマップを使って自転車ナビもどき

自転車であちこち行くのが好きななくせに方向音痴な、ひとりの貧乏人がいたとしよう。彼はつねづねGPS付きのポータブルナビが欲しいと思っている。しかし彼は貧乏なのだ。ポータブルナビなんて高くて買えない。(昔に比べりゃだいぶ安くなってるけど)

でも、彼の手元には、昔に買ったウィルコムのW-ZERO3(WS003SH)があった。
今は使わなくなってしまったそれを活用して、ポータブルナビもどきができないか、ということの覚書。

もうウィルコム回線は解約してしまっているし、解約するまではアドエスを使っていたから、このW-ZERO3をまったく使わなくなって久しい。重要なデータも残っていないことだし、今回は一度きれいさっぱり端末を初期化するところからスタートします。
  1. 端末の初期化
    ※残したいデータがある場合は、初期化の前に、プリインストールされている「バックアップツール」(取説の6-3を参照)を使ってデータのバックアップを行ってください。
    取説の8-7、「完全消去する(フォーマット)」に従って初期化します。以下その抜粋です。
    1. すべてのアプリケーションを終了し、電源を切ります。動作しない場合には、手順2に進んでください。
    2. この製品にUSBケーブルやminiSDカードなどを取り付けているときは、すべて取り外します。
    3. 裏側の充電池ぶたを取り外します。
    4. 約15秒待って、リセットスイッチをスタイラスペンで押します。
    5. 充電池ぶたを取り付けます。さらにACアダプターを接続します。
    6. 本体を表にして、キーボードを開きます。
    7. Fn キーと F キーの両方を押したままで、ボタンを長く (約2∼3秒) 押します。
    8. しばらくすると、本体が起動し画面全体が白く表示され確認画面が表示されます。
    9. ok ボタンを押します。完全消去が始まりますので、終わるまで待ちます。終了後はセットアップ画面が表示されますので、画面の指示に従ってセットアップを行います。
  2. 本体ソフトウェアのバージョンが古ければ、本体ソフトウェアのアップデート
    1. バージョンの確認方法
      ※2010/02/22現在の最新バージョンは「1.04a」。
    2. 上記より古いバージョンならSHARPのサイトから本体更新用のcabファイルをダウンロードし、ZERO3にインストールする。
  3. モバイルGoogleマップのインストール
    Googleのサイトからcabファイルをダウンロードする。ページの下のほうに、Windows向けのDownload binaryってリンクがあります。このページからダウンロードするとバージョン4.0.0なのに、m.google.co.jpからだとバージョン2.2.0.19。4.0.0でも日本語が使えるし、機能も増えてるので、何のために2.2.0.19が残されてるんでしょうね。理由を知ってる方いらしたらコメント欄で教えてください。
  4. 無線LANを使いやすくする
    そのままでは無線LANのOn/Offやアクセスポイントの選択などが面倒なので、フリーソフトなどの導入で少しでも使いやすく。いろいろやり方はあると思うんですが、とりあえず下記の組み合わせで試行中。
    1. 無線LAN接続切替ツール
      上記ページにあるToday試作品てのも合わせて使うととても便利。なんだけど、βサンプル版ということで利用期間の期限があるのがとてもつらい。※2010/02/22現在の最新バージョンは「1.8.4.5」、2010年3月末まで利用可。
      FONを利用する場合はルート証明書をインストールしたほうがよさそう。リンク先ではWindows+IEの説明になっているが、Linux+Firefoxでも同様に可能。
      1. SmartPhoneAddCert.exeを解凍して、中身のSpAddCert.exeを取り出す。
      2. Firefoxの設定の詳細タブを開き、「証明書を表示(S)...」をクリックし、認証局証明書タブを開き、その中から"UTN-USERFirst-Hardware"を探す。
      3. 見つけたらクリックしてハイライトし、「エクスポート(X)...」。X.509証明書(DER)形式で、拡張子.cerを付けて保存。
      4. SpAddCert.exeをZERO-3の/windows/スタートメニュー/プログラムの下に、UTN-USERFirst-Hardware.cerを/Storageの下にコピー。
      5. 以下はZERO3で操作。リンク先と内容が同じだけど一応書いておくと、スタートメニューの中にSpAddCertがあるので実行し、証明書が選択されているのを確認してOKを押す。再起動を促されるので念のため再起動し、FONのアクセスポイントへ接続できるか確認する。
      6. 無事接続できたら、SpAddCert.exeとUTN-USERFirst-Hardware.cerは削除しちゃっていいみたいです。まあでもminiSDとかに保存しておいたほうがいいんじゃないかな。いつまたフルリセットするか分からないし、その度に必要なファイルのダウンロードからやってたら面倒ですわいな。
    2. wifictrl
      実行すると無線LANのOn/Offをトグルで切り替えてくれるシンプルなツール。これをスタートメニューにコピーし、ボタン操作に割り当てる。と、接続と切断が楽ちんに。

とりあえずここまで。あんまりカスタマイズしすぎると動作が不安定になるので。
まあIMAP使ったGMailの設定とか、GoogleSync使って予定と連絡先を同期とかの必要最低限のことは、またおいおい追記していきます。

2010/01/05

Ubuntu Studio 9.10 インストール後の環境設定

※以前同様の記事を書きましたが内容が古くなったので9.10用に書き換えました。

前回のエントリからの続き。

作業内容は
・デスクトップ環境のインストール
・taskselで選べなかったソフトウェア(UbnutuStudioの音楽関係のソフトウェアなど)のインストール
・Japanese Teamによる追加パッケージをインストール
・上記以外で必要なソフトウェアをインストール
・Firefoxアドオンのインストール
です。

a) デスクトップ環境のインストール
ベースとなるシステムのみのインストールが終わり、システムが再起動するとログインのプロンプトが出る。設定したユーザ名とパスワードでログイン。その後
$ sudo apt-get update
$ sudo apt-get install ubuntustudio-desktop
時間がかかるので終わるまでじっと待つ。

b) taskselで選べなかったソフトウェア(UbnutuStudioの音楽関係のソフトウェアなど)のインストール
本来なら
$ sudo tasksel
として、
[*] Virtual Machine host
[*] Audio creation and editing suite
[*] LADSPA and DSSI plugins
[*] Xubuntu desktop ← 非力なノートPCなので少しでも軽く・・
などを選んで「了解」でいいんだろうが、なぜかaptitudeのエラーが出てインストールできない。
しょうがないのでSynaptic。
"ubuntu studio" で検索して、必要そうなものを入れる。

c) Japanese Teamによる追加パッケージをインストール
日本語環境を充実させる。詳細はUbuntu Japanese Teamのページをご覧いただくとして、9.10での手順だけ抜き出すと、
1.[アプリケーション]-[アクセサリ]-[端末]を開きます。
2.以下のコマンドを実行し、GPG鍵とレポジトリを追加します。
$ wget -q https://www.ubuntulinux.jp/ubuntu-ja-archive-keyring.gpg -O- | sudo apt-key add -
$ wget -q https://www.ubuntulinux.jp/ubuntu-jp-ppa-keyring.gpg -O- | sudo apt-key add -
$ sudo wget https://www.ubuntulinux.jp/sources.list.d/karmic.list -O /etc/apt/sources.list.d/ubuntu-ja.list
$ sudo apt-get update
3.以下のコマンドを実行し、パッケージをアップグレードします。
$ sudo apt-get upgrade
4.デスクトップ環境を利用している場合は、[システム]-[システム管理]-[言語サポート]を開きます。標準の言語が設定されていることを確認します。設定されていなければ、利用したい言語のチェックをONにし、標準の言語を選択してください。
5.日本語 Remix CDに追加されているパッケージと同じものをインストールする場合は、以下のコマンドを実行します。
$ sudo apt-get install ubuntu-desktop-ja
以上、抜書おわり。
この後、[システム]-[システム管理]-[日本語環境セットアップヘルパ]を立ち上げるといろいろインストールできる。

d) 上記以外で必要なソフトウェアをインストール
Synapticでインストールできるもの
・Wicd GNOME標準のネットワークマネージャが削除されるがWicdがあれば問題ない。
・KeepassX
Synapticでインストールできないもの
VirtualBox(SynapticのはUSBが使えないため、Sunから落としてきて入れる)
Dropbox
両方とも、バイナリをダウンロードするのではなく、リポジトリを追加してもいい。そのほうがアップデートなどの管理が楽かもしれない。
VirtualBoxの9.10用リポジトリ
deb http://download.virtualbox.org/virtualbox/debian karmic non-free
公開鍵の追加
wget -q http://download.virtualbox.org/virtualbox/debian/sun_vbox.asc -O- | sudo apt-key add -
Dropboxの9.10用のリポジトリ
deb http://linux.dropbox.com/ubuntu karmic main
deb-src http://linux.dropbox.com/ubuntu karmic main

e) Firefoxアドオンのインストール
・FireGestures マウスで「戻る」や「進む」などのアクションを可能にする。
・GMarks Google Bookmarksをサイドバーに表示させる。ローカルのブックマークと変わらない感じで扱えるようになるので便利。
・User Agent Switcher IEでしか見られないサイトのうち、単純にブラウザのUser Agentで判断しているところだったらこれ使えば見られる。
・Firebug 最近知ったプラグインですけどちょうべんり。WEB制作する人は必携といえよう。
Googleノートブック。 Evernote Web Clipper Googleノートブックの代わりにメモ用として。決して使いやすいわけではないけど将来性をかってこれに変えた。
・緑のgoo。これを入れて検索バーを使うと使った回数に応じて植樹されるらしい。 Linuxでは使えなくなった。残念。

2010/01/04

UbuntuStudio 9.10をCDドライブなし、PXEブート可能なノートPCにインストール

※以前8.10のときにも同様の記事を書いたが、変わった部分もあるので、整理して9.10バージョンとして書き直し。

作業内容は以下のとおり。
・サーバはVirtualBox上に仮想マシンとして作成する。
ホストとなるマシンにVirtualBoxをインストールし、そこにサーバとなる仮想マシンを作成する。今回はVirtualBox用の仮想イメージが公開されているUbuntu8.04を使う。
インストールするOSはUbuntuStudio9.10。

具体的な手順は以下のとおり。

a) VirtualBoxのインストール
VirtualBoxのサイトから必要なバイナリをダウンロードしてインストール。
※UbuntuなどではSynapticからもインストール可能だが、SynapticでインストールできるのはOSE版であり、USB機器が扱えない。今回の作業では関係ないが、今回の作業以外でもVirtualBoxを使うのであれば、USB機器が使える、OSE版でないほうのバイナリを公式サイトからダウンロードしてインストールすべし。

b) Ubuntu8.04のVirtualBox用イメージをダウンロード。
解凍し、VirtualBoxのファイルメニュー → 仮想メディアマネージャで追加(A)する。
その後、新規仮想マシンを作成し、既存のHDイメージを使うを選択して、先ほど追加したHDイメージを選ぶ。物理的なネットワークインターフェースにアクセスする必要があるので、仮想マシンの設定ではネットワークを「ブリッジ」にすべし。

c) 仮想マシンを起動すると、Ubuntuの簡単なセットアップがある。ここでユーザー名やパスワードを設定し、再起動すると通常のUbuntuが立ち上がる。

d) ネットワークの設定をし、固定IPにし、そのIPアドレスをメモしておく。またインストール先のマシンのNICのMACアドレスを調べてメモしておく。ゲートウェイやルータやプロバイダのDNSのIPアドレスも。(GoogleのDNSを使うこともできる。8.8.8.8か8.8.4.4)

e) 仮想マシンにtftp と dhcp をインストールする。
sudo apt-get update
sudo apt-get install tftpd-hpa dhcp3-server

f) /etc/default/tftpd-hpa を編集する。
sudo gedit /etc/default/tftpd-hpa
#Defaults for tftpd-hpa
RUN_DAEMON="yes" //ここを"no"から"yes"に変える。
OPTIONS="-l -s /var/lib/tftpboot"
保存。

g) /etc/dhcp3/dhcpd.conf を編集する。
sudo gedit /etc/dhcp3/dhcpd.conf
option domain-nameやoption domain-name-serversはコメントアウト。
末尾に下記を追記。

allow booting;
allow bootp;

subnet 192.168.1.0 netmask 255.255.255.0 { //サーバ側マシンのIPが192.168.2.xだったらここもsubnet 192.168.2.0となる
range 192.168.1.200 192.168.1.253; //上に同じくサーバ側マシンのIPが192.168.2.xだったらここもrange 192.168.2.200 192.168.2.253となる
option broadcast-address 192.168.1.255; //上に同じくサーバ側マシンのIPが192.168.2.xだったらここもoption broadcast-address 192.168.2.255となる
option routers 192.168.0.1; //WAN側に接続しているルータのIPアドレス
option domain-name-servers 210.xxx.xxx.xxx; //プロバイダのDNSサーバ
}

host hoge {
filename "/pxelinux.0";
hardware ethernet 00:0x:xx:xx:xx:xx; //インストールするマシンのMACアドレス
fixed-address 192.168.1.210; //上記range内のIPだったらOK
}

h) Ubuntu Studio のCDがあれば、そこからnetbootに必要なファイルをtftpのディレクトリにコピー。
sudo cp -a /media/cdrom0/install/netboot/* /var/lib/tftpboot/
※LiveCDではnetbootディレクトリがないのでalternate版のCD(もしくはiso)を使う。

i) tftpサーバとdhcpサーバを起動する。
sudo /etc/init.d/tftpd-hpa start
sudo /etc/init.d/dhcp3-server restart

j) LAN上に他のDHCPサーバ(ルータ)があればDHCPサービスを停止する。

k) インストール先のマシンのBIOSでPXEブートの優先順位を上げて、ブート。
インストール画面が出るので、あとは通常どおりにインストール。

インストール開始後の留意点いくつか。

1. パーティションを手動で分ける際、ドライブを暗号化しない
スワップ領域は暗号化できないのに、「暗号化しないと危険」とアラートが出る。homeディレクトリはあとで暗号化できるので、今はしない。ちなみに40GのHDD、1.25Gのメモリを持つノートPCでは下記のようなパーティション構成に。
/ 基本領域 8.4G ext4 ブート可
/home 基本領域 30.0G ext4 ブート不可 ※以前のデータを引き継ぐときはフォーマットしないように。
/swap 基本領域 1.7G スワップ

2. ソフトウェアの選択では何も選ばないで続行。(デスクトップ環境のインストールが終わればコマンドtaskselで同じことができるので、最初はベースシステムのみインストールすることにする)

3. ホームディレクトリを暗号化しますか?はお好みで。

インストールが終わったら再起動される。そこからデスクトップ環境などをインストールしていくが、長くなるのでこれ以降は次のエントリへ。