2010/01/04

UbuntuStudio 9.10をCDドライブなし、PXEブート可能なノートPCにインストール

※以前8.10のときにも同様の記事を書いたが、変わった部分もあるので、整理して9.10バージョンとして書き直し。

作業内容は以下のとおり。
・サーバはVirtualBox上に仮想マシンとして作成する。
ホストとなるマシンにVirtualBoxをインストールし、そこにサーバとなる仮想マシンを作成する。今回はVirtualBox用の仮想イメージが公開されているUbuntu8.04を使う。
インストールするOSはUbuntuStudio9.10。

具体的な手順は以下のとおり。

a) VirtualBoxのインストール
VirtualBoxのサイトから必要なバイナリをダウンロードしてインストール。
※UbuntuなどではSynapticからもインストール可能だが、SynapticでインストールできるのはOSE版であり、USB機器が扱えない。今回の作業では関係ないが、今回の作業以外でもVirtualBoxを使うのであれば、USB機器が使える、OSE版でないほうのバイナリを公式サイトからダウンロードしてインストールすべし。

b) Ubuntu8.04のVirtualBox用イメージをダウンロード。
解凍し、VirtualBoxのファイルメニュー → 仮想メディアマネージャで追加(A)する。
その後、新規仮想マシンを作成し、既存のHDイメージを使うを選択して、先ほど追加したHDイメージを選ぶ。物理的なネットワークインターフェースにアクセスする必要があるので、仮想マシンの設定ではネットワークを「ブリッジ」にすべし。

c) 仮想マシンを起動すると、Ubuntuの簡単なセットアップがある。ここでユーザー名やパスワードを設定し、再起動すると通常のUbuntuが立ち上がる。

d) ネットワークの設定をし、固定IPにし、そのIPアドレスをメモしておく。またインストール先のマシンのNICのMACアドレスを調べてメモしておく。ゲートウェイやルータやプロバイダのDNSのIPアドレスも。(GoogleのDNSを使うこともできる。8.8.8.8か8.8.4.4)

e) 仮想マシンにtftp と dhcp をインストールする。
sudo apt-get update
sudo apt-get install tftpd-hpa dhcp3-server

f) /etc/default/tftpd-hpa を編集する。
sudo gedit /etc/default/tftpd-hpa
#Defaults for tftpd-hpa
RUN_DAEMON="yes" //ここを"no"から"yes"に変える。
OPTIONS="-l -s /var/lib/tftpboot"
保存。

g) /etc/dhcp3/dhcpd.conf を編集する。
sudo gedit /etc/dhcp3/dhcpd.conf
option domain-nameやoption domain-name-serversはコメントアウト。
末尾に下記を追記。

allow booting;
allow bootp;

subnet 192.168.1.0 netmask 255.255.255.0 { //サーバ側マシンのIPが192.168.2.xだったらここもsubnet 192.168.2.0となる
range 192.168.1.200 192.168.1.253; //上に同じくサーバ側マシンのIPが192.168.2.xだったらここもrange 192.168.2.200 192.168.2.253となる
option broadcast-address 192.168.1.255; //上に同じくサーバ側マシンのIPが192.168.2.xだったらここもoption broadcast-address 192.168.2.255となる
option routers 192.168.0.1; //WAN側に接続しているルータのIPアドレス
option domain-name-servers 210.xxx.xxx.xxx; //プロバイダのDNSサーバ
}

host hoge {
filename "/pxelinux.0";
hardware ethernet 00:0x:xx:xx:xx:xx; //インストールするマシンのMACアドレス
fixed-address 192.168.1.210; //上記range内のIPだったらOK
}

h) Ubuntu Studio のCDがあれば、そこからnetbootに必要なファイルをtftpのディレクトリにコピー。
sudo cp -a /media/cdrom0/install/netboot/* /var/lib/tftpboot/
※LiveCDではnetbootディレクトリがないのでalternate版のCD(もしくはiso)を使う。

i) tftpサーバとdhcpサーバを起動する。
sudo /etc/init.d/tftpd-hpa start
sudo /etc/init.d/dhcp3-server restart

j) LAN上に他のDHCPサーバ(ルータ)があればDHCPサービスを停止する。

k) インストール先のマシンのBIOSでPXEブートの優先順位を上げて、ブート。
インストール画面が出るので、あとは通常どおりにインストール。

インストール開始後の留意点いくつか。

1. パーティションを手動で分ける際、ドライブを暗号化しない
スワップ領域は暗号化できないのに、「暗号化しないと危険」とアラートが出る。homeディレクトリはあとで暗号化できるので、今はしない。ちなみに40GのHDD、1.25Gのメモリを持つノートPCでは下記のようなパーティション構成に。
/ 基本領域 8.4G ext4 ブート可
/home 基本領域 30.0G ext4 ブート不可 ※以前のデータを引き継ぐときはフォーマットしないように。
/swap 基本領域 1.7G スワップ

2. ソフトウェアの選択では何も選ばないで続行。(デスクトップ環境のインストールが終わればコマンドtaskselで同じことができるので、最初はベースシステムのみインストールすることにする)

3. ホームディレクトリを暗号化しますか?はお好みで。

インストールが終わったら再起動される。そこからデスクトップ環境などをインストールしていくが、長くなるのでこれ以降は次のエントリへ。

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